意識の発生

人間の脳が発達したおかげで、外界の原因と結果の繰り返しパターンを発見し記憶する能力がついた。原因と結果の変化から時間の流れを感じ取り、変化の差分から外界を知覚する自己の存在を感じ取る能力がついた。
人間同士がコミュニケーションを取り共同活動することが、種の保存の戦略として有用になり、人間共通の言語を扱う能力がついた。言語を用いて外界のものを命名し、言語を用いて外界を思考する能力がついた。
外界の事象を頭の中で思考している何らかの存在を感得し、それを自分と思うようになった(自我)。そして、言語で思考する外界とは、思考する自分とは何かを考えるようになった。
自己と他者については後考。(他者の死によって、死後の存在、死後の世界という死生観を考慮するきっかけとなることだけを記す。)
外界とは何か、時間(季節・世界の原初・現在・未来・死後)とは何か、自分とは何か、この三つの疑問が人間の頭の中に発生した。三つの疑問を串刺しにして解決する、神話(物語)が自我によって作られた。
自我は、自らが存在する三次元と時間の世界を物語として定義することによって、精神的バランスを保持できるからである。
人間社会が文明を持ち、言語、外界への認識が洗練されるにつれ、自我にフィットしなくなった物語(神話)は捨て去られ、新たに作られた。